小学校受験 面接Q&A:「甘やかし」と「愛情」の違いとは何か 回答例

小学校受験の面接対策で重要な甘やかしと愛情の違いを解説する記事のアイキャッチ画像 

小学校受験の面接では、「ご家庭でどのように子育てをしているか」「親が子どもをどう見守っているか」について抽象的な質問が飛んでくることがあります。

今回は、その中から「甘やかしと愛情の違い」という論点について考えてみたいと思います。

目次

過去の出題例

過去に早実初等部の面接でこのような質問がありました。
「甘やかすことと、愛情をかけることの違いを、自身のエピソードを添えて話してください」


もし面接でこう聞かれたら、皆さまならどのように答えますか?

大切なことを先に言っておくと、これから書くことはあくまで私の考えであり、正解を書いているわけではありません。私の記事をきっかけに、「自分なら、こう答えるかな」ということを皆さまにもぜひ考えてみてほしいと思っています。
さて、私なら、この質問についてこのように答えます。

一言でいうと、「成長の機会を奪うか、与えるか」という点だと考えています。

つまり、

甘やかし=子どもの成長のチャンスを奪うこと。
愛情=子どもが自分の力で成長できるように機会を与えること。

次に、この視点をベースにしてエピソードを考えてみましょう。

身近な場面を考えよう

例えば
① おもちゃやお菓子を与える
② お片づけ
③ 朝の身支度
④ テレビ
という場面を考えてみましょう。
 
結果的に同じでも、その過程が大きく違うことがわかります。

エピソード甘やかし愛情
① おもちゃやお菓子を与える欲しがるままに買い与える適切なタイミングで与える
② お片づけ親が代わりに片づけるできたときに褒める
③ 朝の身支度親が代わりにやる時間を与えてやり終えるのを待つ
④ テレビ見たいときに見せる最初に時間を決めて見せる

家庭方針を盛り込もう

ただ、愛情が裏にあったとしても、むやみやたらと親の思い通りに子どもを動かすというのも違いますよね。
大切なのは、親の哲学です。しっかりとした「家庭の教育方針」に基づく制約だからこそ、それは躾になるわけです。
ですから、面接時には、その裏にある「家庭の思い」もプラスしてお答えするようにしましょう。

エピソード家庭の教育方針(家庭の思い)
① おもちゃやお菓子を与える自制心の育成、ワガママはいけないという自覚を持たせる
② お片づけ自立心の育成、責任感と自己管理力の育成
③ 朝の身支度自立心の育成、成長を見守る親の待つ姿勢を見せる
④  テレビ時間や約束を守る力を育てる、自己管理力の育成

実際の回答例

ポイントを押さえてエピソードを伝えましょう。

回答するときのポイント 
■ 結論を最初に一言で述べる 
■ 具体例を入れる
■ 親としての姿勢で締める→成長の機会にしている

実際にやってみましょう。

 おもちゃやお菓子を与える

甘やかしと愛情の違いは、「成長の機会を奪うか、与えるか」だと考えております。
おもちゃやお菓子を考えなしに我が子がねだるとき、欲しがるままに与えるのは甘やかしだと思いますので、「こういう理由で、今はあげられない」ということをハッキリ伝えます。
望めば簡単に手に入ると考えてはいけないことや、ものの大切さをしっかりと伝えたうえで、必要なものはしかるべきタイミングで与えるようにしております。

② お片づけ

甘やかしと愛情の違いは、「成長の機会を奪うか、与えるか」だと考えます。
自分が散らかしたものを片付けるのは当然のことだと伝え、責任を持って片付けさせます。厳しいようですが、社会生活を送るうえで身の回りの片付けができないことは本人のためになりませんし、こういうことは小さい時からの習慣が大切だと思いますので、親も「出したら片付ける」という姿勢をしっかり見せるよう意識しています。
そのうえで、片付け終わったときにはしっかりと褒めるようにしています。

③朝の身支度

甘やかしと愛情の違いは、「成長の機会を奪うか、与えるか」だと考えます。
たとえば、朝の身支度にしても、できるにも関わらず時間がないからといって全部親がやってしまうのは甘やかしだと思います。愛情があるのであれば、親としてやるべきことは安易に手伝ってあげることではなく、「どうしたら時間内に自分でできるか」ということを考えて生活リズムを整え、準備が完了するのを待てるようにすることだと思います。

④ テレビ

甘やかしと愛情の違いは、「成長の機会を奪うか、与えるか」だと考えます。
たとえば、テレビなどは見たいというときに見せていると延々と流れてしまうものです。もちろん一方的に制限するのは良くないと思いますので、「1日30分」など時間を決めて見せることで、自制心も育てられるようにしています。また、その際には一緒に隣で見たり、そのテレビ番組について後で話し合うなど対話のキッカケにすることもあります。

まとめ

どうでしたでしょうか。こうした境界線が問われることは、他にもいくつか例があります。
とっさに考えることは難しい質問ですが、学校側もそれは分かっています。それでも聞かれるのは、こうした予期せぬ問題、特に親の教育観を尋ねる問題では、本音が見えるから。志望動機や教育方針をいくら飾り立ててきても、こういう問題だとつい慌ててしまい、とんでもないことを気付かぬうちに言っていたりするものなのです。
しかも、対策は非常に難しい。あえて言うならば、日頃からこうやって少しでも考える習慣がついていると、なんとなく「これは言わないほうがいいな」という感覚が育ってきます。

そう、こういう問題で必要なのは、「良いことを言おうとするより、変なことを言わないこと」

自分なら、この問いにどう答えるか。ぜひ、考えてみてくださいね。

それにしても、子どもと過ごしていると、「これはやってあげていいのかな、どうしようかな」と迷う場面は本当に多いですよね。 親がやってしまった方が早くて簡単なこともあります。
でも、それこそが成長の機会になるのだろうと思っています。 だからこそ、私は、「愛情をかけるとは、待つこと」 でもあるのではないかと考えます。
余裕を持った子育てをしていきたいものですね。自戒を込めて。





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